銀河を超える光に

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空きの空

視界をちょっとだけセピア色にして、秋の入り口をウロウロしてみる。暖かく見える色眼鏡をかけた。春秋は暖色、夏冬は寒色がよく似合う、なんて勝手に思っている。その中でも秋がいちばん暖かい。こんなにも穏やかな気持ちになれるから。

 

あなたの髪の色が変わるたびに、つられて季節も移り変わる。今日は引越し祝いなんだって。生き急ぐ生活の間で空はまだ暮れなずむ。変わらないモノなんて無いと思い出させてくれながら。そうして過ぎていった季節の1つ1つが、別々の輝きを放っていて忘れたくなくなる。過ぎていく時間に、寂を感じる瞬間が日に日に増えていく。いつまでも不可逆を憂いでいたくなる。

 

秋の空は高くて遠くて、宇宙との境界も薄くなる。背伸びをせずに虚空を掴むような、やさしい風の温度と相まって心地良い。からっぽになればなるほど、空が遠くなっていく。何をやったって戻ることは無い、今日の景色と香りに思いを馳せながら、ぼんやりと空と宇宙との不可視境界線を眺めている。

 

いつも近い温度で、同じように季節を歩いていく。いつまで続くか分からない恐怖より、未来が楽しみな感情が勝ることはあまり無かったので、少しずつ胸を張って生きられるような、気がして。

 

美味しいお肉を食べるなどして幸せな気持ちで書いた日記。

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