銀河を超える光に

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2nd e.p.『****』セルフライナーノーツ

こんばんは人類。

 

ここで生きてるず は新しい音源をリリースする。

 

まだリリース前だが、というか作品のタイトルも曲名すらも公開前(9/14現在)だが、2nd e.p.の解説をする。
リリース前に読むもよし。リリース後に読むもよし。
深く暗くていちばんキラキラした部分をどうぞ。

 

以下、深淵注意。

 

1曲目「****・***・****」

作品の1曲目、ズンズンと地響きから始まる冒険の予兆。愉快な魔物やドラゴンが出てきそうな予感。地層の反対側から、時代の前後も通り越して、あなただけの最高傑作を創れますように。今作の表題とも言える1曲。人生はじぶんだけの冒険。息をするだけで芸術になってしまうし、生きてるだけで表現者になってしまう。見てきたモノ、聴いてきたモノ、感じたモノ、ぜんぶ吸収して新しいいのち創れたらいいよね。

この曲は、"サビ"っていうサビが無い。そのうえ常にビートが押し寄せ、ラストで緊張から解放され、はじまりに戻ってくる。人生、ゴールとか無いよね。次へ次へ、新しい音を探し続けなければならない。

人生、最高傑作にしようね。

 

2曲目「*******」

今作で唯一、ツカサがメインボーカルを執る。何処までもブッ飛んだ存在になりたいがなりきれない。いつも無意識のうちに安全圏内を爆走している。そんなヤツのための曲。

元々、アンプの入力がピークに達した時に光るランプ。特にベースアンプによくあるね。付きっぱなしは故障の元になる。人間も無理し続けると、壊れちゃうしな。そうやって己のスピードをセーブし続け、目的を見失いながら生き続けるのか。

だったらそのランプ、取っ払っちまえばいいよね。限界は無意識に自分で決めてしまうものだし、自分で超えるもの。この先の生き方、分からなくなったなら、アタマ壊れるような爆音に身を任せれば良い。そしたらおまえの創ってきた音が、勝手におまえを導いてくれる。

この歌は、これを歌うおまえ自身に届けばいい。

 

3曲目「***(***)」

今作で一番、青い曲ではなかろうか。おれとツカサの歌が激しく入れ替わり、情景の目まぐるしい移り変わりを表現している。アップテンポで流れるように過ぎていく時間が、ある日を境に惜しくなり、情景がスローになる。誰もがキラキラとした日々を過ごせたワケでは無いからね、誰もが憧れる青。ただこの歌を色に例えるなら、黄色かな。

スクールカースト下から2番目ぐらい。特に不自由は無いが勝手に生き辛さを感じながら教室に通う毎日。8時20分に起きて8時25分に家を出て、8時30分のチャイムと同時に教室へ。以降早送りし、放課後は号令の瞬間に校門を脱出。まるで眩しさから急いで逃げるかのような、青春とは無縁、彩度低めの毎日。

どこにも逃げられない逃避行の最中、心臓に飛び込んできた唯一の赤色。世界で唯一、己を認識してくれるやさしいひと。他人との会話もままならなかった教室生活が一変。広がるだけ広がっていく期待と深淵。

「三日月を齧ってみようよ」「いま見える星ぜんぶ数えようよ」このまま一瞬を永遠に、時間を止めるため言い訳を探し続ける。言い訳に言い訳を重ねる。重ねに重ねた言い訳が喉に詰まる。必死に探せど詰まり詰まって言葉は出ず。どんどんまわりくどいね。ならもういいや。今までもそうだったよね。別にひとりで、生きていけるもんね...

 

4曲目「******」

確かに、今までのここで生きてるずには無いサウンドの形をしている。アコースティックギターを軸に、3人の移り変わる歌が響き、バンドサウンドの欠片が大地の片隅に散りばめられたような曲。RECでは、なんかもうクッソ歪ませたり、ダークマターを創造したり、壁を叩くなどした。おれ自身、こういう曲を待ち望んでいたかも。

人間は自分勝手で自己中心的でどうしようもないが、おれは仕方ないと思うし、変わんないと思う。その人間もまた、地球の熱エネルギー循環システムのたった一部に過ぎない小さくて儚い存在なのでは。破壊だろうが保全だろうが、そもそも人間が自然環境をどうにかできてるなんて、"おこがましい"。

今後、時代を進めるにつれて文明は進化していき、物理的な側面だけで見ると人間の生活は益々便利になっていく。その分、自分のココロとの対話の機会は多くなる。生かすも殺すも自分次第。外部からの情報を消費し続けて凪のような生活を望む人間になるか、内的志向を極め自意識の塊のような人間になるか。人生の形も少しずつ多様化していく。他の誰でもない、自分自身にとって、より価値のある生き方が問われるようになるだろうね。

千年後、一万年後の事は分からない。ひたすら持続可能な社会を目指す前に、せめていま、この星に生まれてしまった人間達は、自分で自身の行く先を選択し続けるべきだ。

ておくれになるまえに。

 

5曲目「*****」

おれは基本、ギリギリまで曲名をつけない。槍が降ろうが神様に怒られようが、つけない。しかし裸のままで世に出すわけにはいかないので(というかメンバーに怒られて)、頑張ってつけた。実際、今作のほぼ全ての曲は、このe.p.を制作するにあたって曲名をつけた。作品のラストをギラギラと飾るこの新曲G#(仮)も、その一つ。ミドルテンポのどっしりしたベースフレーズから始まり、地に足付けて生きていく様を表現する。

光刺さる街で生まれ育ち、この街に引っ越してくるまで世の広さを十分に知らなかったのだと思う。人間の脳みそは、郷愁をポジティブに感じるようプログラムされている。新天地、ヒトとも景色ともうまく馴染めず、灰色の濁ったゼリーの中を歩くような日々の中、思い浮かべるのは高くて大きくてキレイな空。いまあなたが追い求めている、まだ誰も知らない空の青は、未だ見ぬ未知の風景ではなく、幼いころから目に焼き付け続けた馴染み深い青かもしれない。

とやかく言いながらも、何が何でもこの街で生き様を遺してやる。そう決意しながら、今日も一足先に、この世の終わりのような景色を視ている。

 

以上。

どの曲か分っちゃう人もいるかも。

 

では、リリースをお楽しみに。


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